ピースボートといえば「実態・怪しい・真実・洗脳・正体・評判」といったキーワードがグーグル検索でも自動出力されるくらいネガティブなイメージがありますが、実際に乗ってみないとその実態はわからない。
ということでピースボートクルーズに参加して来ました!!
今回は実際にピースボートに乗船した私が船内の様子を詳細にレポートします。
ピースボートクルーズ総評
細かい船内のレポートは後にして先にピースボートに乗った感想から述べます。
一言でいうと、「船旅めちゃめちゃ楽しかった!!また行きたい。」です。
クルーズって一度乗ると病みつきになるとよく言われてますが、ほんともう一度乗りたいくらいです。
100日間も船に乗っててヒマじゃないのか?なんて素朴な疑問も湧いてきそうですが、全然そんなことありません。
大体100日クルーズで寄港地に滞在するのは約1/3。残り2/3は洋上での生活となるのですが、ピースボートによる様々な企画や一般のお客さんが計画する「自主企画」と言うものがたくさんあり意外と忙しいくらいです。
こちらはピースボートによる講座の一部。
そしてこちらが船内新聞。ご覧の通りどこかしらで必ず何かしらのイベントが開催されています。しかも一部の特別なプログラムを除いて、ほとんどのプログラムは無料で参加できます。
プールもあるしジャクジーでゆっくりするのも最高です。
あとクルーズが進むに連れて船内で友達ができます。船の中という限られた空間ですから必ず毎日誰かと顔を合わすし、船旅という特別な空間をシェアしているせいか短期間でめちゃめちゃ仲良くなり、おしゃべりしているだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。
ピースボートに乗って何が一番楽しかったって聞かれたら、「いろいろな人と出会うことができた」というふうに答えるようにしています。
1つの船に1000人くらい乗っていますからいろんな方がいてほんと面白かったです。ある意味社会の縮図とも言えます。
たまに1人でゆっくりしたいときなんかはデッキに出てひたすら海を眺めるなんてのも最高に気持ちよかったですよ。
航行エリアによって海の色も結構違うし沈みゆく夕日も毎日その風景が違って見えました。夕日は本当にきれいでしたね~。
アクティブ派・ゆっくり派も自分のペースで過ごすことができるのも船旅の大きなメリットだと感じました。
ちなみに船自体は全然揺れません。ここまで大きな船になると台風でも来ないかぎり滅多に揺れないそうです。レセプションで無料で酔い止め薬をもらえることも出来ますが、私は一回も飲む必要ありませんでしたよ。
と言った感じで私はピースボートの船旅を堪能しました。冒頭でも触れたような怪しい評判の根拠は一体どこから来てるんだろうと思うレベル。
確かに平和や歴史に関する講座が開かれることはありましたが勧誘活動なんかは一切ありませんでしたし、そもそもプログラムは全部自由参加ですしね。
いきなり世界一周のようなロングクルーズはむずかしいですが、年に数回1~2週間程度のショートクルーズも行っているので気になる方はお試し感覚で一度ピースボートの船旅を試されてみてはいかがでしょうか。
こちらは9日間のショートクルーズに参加した時のブログです。よかったら合わせてご覧ください。
ピースボートに乗ったら費用はいくらかかるの?
「ピースボート100日間の世界一周クルーズって結局総額いくらかかるの?」皆さんの一番の関心事はやはりこれだと思います。
ピースボート乗船に関わる全経費は、乗船前の準備から下船までにかかった費用をざっくり足すとトータルで200万円弱となりました。
これはペアタイプに夫婦2人で申し込んで、1人あたりかかった料金です。通常料金198万のところを早割を利用して申込んだので39万円の割引が適応され159万円となりました。早割はめちゃめちゃデカかったですね。夫婦2人で合計78万円の割引ですから。
それにポートチャージ・ビザ・チップ・オプショナルツアー・船内有料サービス、寄港地でのお小遣いなど、なんだかんだ結構使った結果総費用が1人あたり200万弱くらいになったって感じです(今考えればちょっと使いすぎたかも)。
部屋タイプによっては基本料金が200万円以上することもありますが、相部屋タイプなら129万円で済みます。一概にいくらとは言うことが出来ないのですが、大体基本料金+20~30万円くらいが総額だと考えていいと思います。
100日間の世界一周クルーズがこの料金で出来るのは高くはないと思います。むしろ宿泊代・移動代・食事代など全て込みで1日1万円台だと言うことを考えればコスパは良い旅行だといってもいいでしょう。
飛鳥2みたいな高級客船で世界一周クルーズでもしようものならその2~3倍以上の料金がかかってきます。もちろんサービスや施設のレベルもその分違うんでしょうけど、私みたいな一般人にはピースボートのようなカジュアルクルーズのほうが面倒なドレスコードもないし過ごしやすく楽しめました。
クルー・スタッフさんのサービスレベルはどんな感じ?
ちょっとわかりづらいんですけど、ピースボートは3つの会社・団体が集まって運行しているイメージになります。
まずはオーシャンドリーム号という船を所有する外国の船会社。そしてその船会社と船のチャーター契約を行うジャパングレイスという旅行会社。ピースボートはNGO団体でジャパングレイスと共同で船を運行し、船上でのイベント・プログラムに責任を持つような感じです。
なので、乗船までの手続きは旅行会社であるジャパングレイスの営業さんとのやり取りになり、船に乗ってから日常的に顔を合わせるのはピースボートのスタッフさんや船会社のクルーということになります。
ジャパングレイスの人も乗っていますが、レセプションなんかに用がなければあまり会うことないと思います。
で、このピースボートのスタッフさんが様々。もう何年もピースボートの専属スタッフとして働いている方も入れば、日本でボランティア活動で割引を貯めて乗ってくるなんて方も。
見た感じ20代くらいの若いスタッフさんが多い感じでしたね。ちょっといい表現ではないかもしれませんが、若くてお金はないけど世界を旅して回る手段としてピースボートに乗っているなんて方もいると思います。
なのでちゃんとした接客サービスを学んでいるわけでもなく、「ピースボートは学園祭の延長のようなもの」と揶揄されるのも分からなくはありません。
ただ、みなさん本当に一生懸命やってくれていて、私はスタッフさんには好感が持てました。船上では企画のお仕事をして、寄港地では添乗員の役もこなすなど大変そうでした。ほんと皆さんお疲れ様でした。
客層・世代・男女比は?どんな人が乗ってるの?
オーシャンドリーム号の定員は1000人くらいですが、私が乗船したクルーズではあくまでも見た感じですが、20代~30代の若い世代が2~3割くらいで、残りはシニア世代という感じでした。
一昔前は若い世代の参加者もかなりいたそうですが、その比率は下がってきているそうです。男女比はおそらく同じくらいです。
それから家族連れで乗船されている方が結構いたのも驚きでした。やっぱり未就学児が無料なので今のうちに乗っとくかって親御さんが多いのでしょうか。
船室は意外ときれいだった
オーシャンドリーム号は1981年建造ということで、誕生から既に35年以上経っていますが元気に走っていましたよ。
私のキャビンに関してはトイレ・水回りの故障は一度もおこしませんでした。クルーズ中に知り合ったリピーターの方に聞きましたが、先代の船(トパーズ号・クリッパーパシフィック号)から比べたら船設備はだいぶマシになったそうですね。
船室はこんな感じできれいでしたよ。
バスルームはこんな感じです。高い部屋はバスタブもついているそうですが、予算的にムリなのでシャワーで我慢です。
毎日かならずハウスキーピングさんが部屋の掃除に入ってくれます。自分で部屋の掃除をしなくていいてなんて楽なんだろうと思いました。ほんと毎日快適でした。
船に乗っている間は、掃除・洗濯から食事の準備まで全部やってもらえるので天国のようです。
クルーズ料金は部屋タイプによってかなり違ってきます。詳しい部屋タイプ詳細や料金のまとめはこちらの関連記事をご参考に。
気になる食事内容は?うまい?まずい?
世界一周となると100日間も船にのるんですから気になるのは食事ですよね。ピースボートではモーニングコーヒー、朝食、昼食、アフターヌーンティー、夕食の全5食がクルーズ料金に含まれています。
食事のクオリティは上中下でいうとはっきり言って中くらいです。そもそもクルーズ料金が安いので高級レストランのような豪華な食事が毎日のように出るわけではありませんが、船旅中数回行なわれるフォーマルディナーのコースディナーは本格的で結構いけます。
フォーマルじゃない時は日本食や中華・韓国料理などいろんなメニューが日替わりで登場します。ピースボートのエグゼクティブ・シェフは日本人なので味付けや量は日本人向けに作られています。
以下は普段食の一例です。
こちらは船内3つあるレストランの中でもメインレストランに当たる「リージェンシー」。
他の2つのレストランは8階にあり海を眺めながら食事をすることも出来ます。朝食は基本的に軽いビュッフェ、昼と夜はメニュー食といった感じです。すべてのレストランで違うメニューが毎回提供されるのでレストランのハシゴもOKです!!
こちらは朝食の1例。
昼食はラーメン・カレー・カツ丼・ハンバーガーなどなど。
あとは夕方16:30から夜中の2時まで8階のパノラマレストランが「波へい」という洋上居酒屋に変身します。
日本にある居酒屋をそのまま船の上に持ってきた感じでアルコール・おつまみ・軽食を有料で注文することができます。値段も良心的で夜になると結構混雑してます。
自分も夜に小腹が空いた時は餃子やお茶漬けなんか食べに行ってましたよ。
餃子が480円。
お茶漬けが360円。
船内ではみんな何をしているのか?
冒頭でも少し触れましたが、船内では朝から晩まで何かしらのプログラムが常に開催されているので基本的に暇になることはないと思います。早ければ朝6時台からデッキで朝日を浴びながらのヨガもやっています。
社交ダンス教室
工作プログラム
英会話教室
「水先案内人」と呼ばれるゲストによるトークショーも開かれます。過去には東ちづるさん、池上彰さん、湯川れいこさん、田部井淳子さんといった有名人の方も数多く乗船されています。
とにかく船内企画の数は毎日ものすごいので必ず自分の趣味にあったものが見つかると思います。企画を通してできた友達も数多くいますし楽しいだけでなく、歴史や文化・語学の勉強になるものもあり得るものが多かったですね。
プログラムに参加しなくても船内施設を利用しながら時間をすごす事もできます。プール・ジャクジー・ジムは完全無料で使えます。
有料にはなりますが、マッサージ・サウナ・美容院といった施設も備わっていますよ。
夜になると船内3箇所のバーではバンド生演奏もあるのでアルコールを片手に音楽を楽しむなんてのもいいですよ。
そしてシニア層に大人気だったのが生バンド演奏による社交ダンスタイム。みなさん毎晩楽しそうに踊ってらっしゃいました。
何もしないという究極の贅沢もあり
船旅は本当に自由です。プログラムに参加しまくるのもいいですが、逆になにもせずただただのんびりするという究極の贅沢もありです。
私もたまにひたすらソファーにすわってボケーッと海をながめたり、読みたかった本を一気読みするなんて贅沢な時間を過ごすこともありました。
せっかく仕事や日常生活から離れてクルーズという旅行に参加しているのですから、ゆーっくりするのもおすすめですよ。
あと私のお気に入りの時間は午後3時から4時まで開かれるアフターヌーンティー。8階にあるパノラマレストランでクッキーやケーキ、コーヒー、紅茶が無料で提供されるのでほぼ毎日足を運んでゆっくりスイーツを食べていました。
寄港地での過ごし方
ピースボートの船旅では、寄港地では自由行動を取ることもできますが、限られた寄港時間を有効に活かすために、その土地の世界遺産や風光明媚なスポットを巡るオプショナルツアーが数多く用意されています。
私は基本的に自由行動派なのでタクシーや公共交通機関を使って観光地巡りをしていました。自分でプランを練って気ままに遊んで、お腹が空いたらサッと現地のレストランでご飯を食べる。時には計画通り行かないこともありますが、ハプニングも旅行の一部と割り切って楽しむことにしていました。
そうは言っても、観光地によっては自力でたどり着くのが難しい場合があります。例えばエジプトのピラミッドやアフリカのサファリパークなんかは車で片道1時間以上かかるし、さすがに1人でタクシーを貸し切っていくのも怖いです。
そんな時は躊躇なくオプショナルツアーを申し込みました。安い料金ではありませんが、ここでケチってツアーに参加しないと必ず後になって後悔することになるので(エジプトに行くのにピラミッドを見ないなんてありえないですよね)。
実際ツアーに言ってみると、ガイドさん付きでいろいろ説明もあるしバスで全部連れて行ってくれるので楽で結構楽しかったりもしました。
ツアーはメリット・デメリットあるのでよく考えて申し込みましょう。
怪しい・洗脳・宗教・乱交といった悪評は本当なのか?
最後にピースボートに関してネット上で流れている悪評は本当なのかということについて。google検索で「ピースボート」というキーワードを入れると「怪しい・真実・洗脳・宗教・乱交」といったキーワードが自動表示されることがあります。
これを見たらピースボート大丈夫?と怪しがってしまうのが普通でしょう。私もそうでした。
でもこれらの記事を読んでみると、どう考えても実際に乗船したお客さんが書いたものではないことはすぐにわかります。どの世界にもアンチの人たちが一定数存在しますが、ピースボートにもこういう人達がいて、悪い評判を流しているんだと思います。
むしろ過去乗船者のブログや日記を読んでみるとほとんどが、クルーズ楽しかったというものが多い。
ピースボートもかれこれ35年クルーズを続けていますし、過去参加者は6万人にも達するそうです。ああいった悪評が本当ならこんなにも長く船を出し続けることも出来ないでしょう。
実際乗っても怪しいなんて感じたことは一切ありません。歴史講座のなかで、「慰安婦・反原発・歴史問題・憲法9条」といった言葉が出ることはありますが、全然洗脳なんてされませんよ。むしろ、オープンな議論の場もあるので両方の意見を聞くことが出来て目を開かれる感じです。
ピースボート自体が1つの宗教や政党を支持していて、それを押し付けてくるなんて事も全くありません。船内で乱交なんて噂も聞いたことないし、あれも完全なデマでしょう。
船内見学会にもおすすめ
ピースボートでは神戸や横浜・東京などで年に数回船内見学会をおこなっています。見学会では船室やラウンジ・オープンデッキなどを自由に見学することが出来ます
「船室を見比べたい」「デッキからの長めを楽しみたい」「ラウンジを見てみたい」などいろいろな楽しみ方があります。実際に乗船する予定が無くても見に行くだけでも楽しいのでぜひ一度参加されてはいかがでしょうか。
まとめ
長文となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。一乗船者としての感想ですがピースボートは楽しかった。本当に楽しかったです。
飛行機なら1~2日あれば世界一周出来てしまうところを、わざわざ100日もかけてまわる。一見非効率な旅行と思われるかもしれませんが、のんびりすること自体も船旅の大きな特徴の1つ。
魅力的な寄港地や船上での出会いなど船旅の楽しさは、陸にいては体験どころか想像もできません。100日間の旅行なのでそう簡単に参加できるものではありませんが、超楽しいし学ぶことも多いので、「死ぬまでになんて流暢なこと言わずに今すぐにでも乗るべき!!」というくらいおすすめしたいのがピースボートの船旅です。