現在日本の船会社が所有・運行する豪華客船は「飛鳥2」「にっぽん丸」の2隻があります。
日本船のクルーとして働くのであれば実質この2船しかないのですが、それぞれの採用要件をよく見ると微妙に違っているのが見えてきます。
今回は3社のクルー採用要件を比較しながら、乗組員として採用されるために必要な条件を見ていきたいと思います。
郵船クルーズ株式会社「飛鳥2」
飛鳥2は郵船クルーズ株式会社が所有する日本最大の豪華客船。
日本で豪華客船といえば飛鳥2をまず思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「ぱしふぃっくびいなす」や「にっぽん丸」と比べても船のサイズは一回り大きく収容乗客も多いため、採用人数も多いようです。
飛鳥2のクルー採用に関する詳細は郵船クルーズ公式サイト:採用情報ページにて確認することができます。
以下に募集要項をまとめてみました。
所属 | 株式会社オーシャンホテルシステムズ |
応募先 |
郵船クルーズ株式会社 045-640-5282 管理部 人事チーム 宮崎・安達 |
所在地 |
〒220-8147 横浜市西区みなとみらい2丁目2番地1号 横浜ランドマークタワー47階 |
応募資格 |
四年制大学/大学院/短期大学/専門学校/高等専門学校を卒業した方
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職種 | 船内ホテルサービス業 |
職務内容 |
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勤務時間 |
シフト制 ※原則として4ヶ月連続乗船、2ヶ月連続休暇 |
休日休暇 | 年間陸上休暇120日 |
給与 | 経験を考慮し、当社規定に基づいて決定します |
雇用形態 | 初年度および2年度は1年契約の契約社員 |
昇給 | 年1回(4月) |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
福利厚生 | 「飛鳥II」家族割引乗船制度、クリスタル・クルーズ自主研修制度、財形貯蓄、福利厚生倶楽部「リロクラブ」法人加入 |
郵船クルーズの採用情報はホームページにかなり詳細に記されています。
学歴はさほど要求されておらず、専門学校卒が最低必要ラインとされています(大卒である必要はなし)。
「パーサー、ショップ、エンターテイメントの各部門は、サービス業勤務経験の有無は問いません」という文言も明記されており、意外とハードルは高くありません。
ただし、英会話力だけは必須となっているのでできるだけ英語は磨いておいたほうが良いです。最低ラインとして日常英会話がそつなくこなせる程度の実力は身につけておきたいところです。
また採用Q&Aページには細かい情報も盛り沢山。特に「船内生活に関するQ&A」というコーナーなんかは飛鳥2にかぎらず、他の船会社で働くにしても共通している項目も多々あり参考になります。
商船三井客船株式会社「にっぽん丸」
商船三井客船株式会社は明治、大正、昭和を経て今日に至るまで、一貫して客船運航を続けてきた日本で唯一の客船会社で、これまでに客船を利用した乗客数は延べ約1億人にのぼるそうです。
船のサイズが小さいので大型船が入港することができない風光明媚な寄港地を巡ることができます。美食へのこだわりがものすごくリピーターが多いことでもよく知られています。
にっぽん丸の採用情報はこちらの商船三井客船株式会社公式サイト「採用情報」にあります(情報量は少ないですが)。
所属 | 商船三井客船株式会社 |
所在地 |
〒107-8532 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル5階 |
応募資格 | 専門学校、高等学校、短期大学、大学卒業のいづれか |
勤務時間 | 朝6:00~深夜12:00・シフト制・実働8時間 |
職務内容 |
海上職(ホテルサービス部)は、船内サービスを担当する3つの職種に分かれています。
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その他にも採用Q&Aページが解説されているのでぜひご覧ください。
該当ページ内には「パーサーは外国の港で関係先と折衝することも多いので、日常会話以上の英語力が必須」「ホテルサービスクルーは日常会話程度(TOEIC600程度)の英語力が望まれます」「クック・ベーカーは業務上外国人クルーとコミュニケーションが図れる程度の語学力が望まれます」との文言があり、にっぽん丸の方でもやはり英語力は重視されているようです。
まとめ
3船ともそれぞれ違った特徴がありどれが上で下といった考え方はありません。よくある誤解なんですが船は大きければ大きいほど良いというわけではありません。
例えばにっぽん丸は比較的小さな船なので乗客定員も524名と少なくアットホームな雰囲気があります。小さい船は小さいなりに乗客と緊密なサービスを提供することができたり、船内では静かにゆっくり過ごす事ができるなどメリットはたくさんあります。
自分もクルーとしていろんな船で働きましたが、一番満足度が高かったのはスモールシップでした。
逆に飛鳥2は船も大きくて移動は大変だし、乗客対応数も多く結構しんどかったりもします。どちらがいいかは個人によって違うでしょうから、各社ホームページをよく見て自分が本当に向いていると思える会社を狙った方が良いでしょう。