【クルーズ船求人採用のコツ】客船で仕事するためのマニュアルまとめ

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クルーズ船で働きたい

日本にも多くの大型クルーズ客船が入港するようになり新聞・雑誌やテレビなど色々な場面でクルーズ船が取り上げられるようになりました。

しかし船の施設やその豪華さが大きく取り扱われるだけで、そこで働いているクルーのことが取り上げられることはありません。

そこで働くクルー達は一体どうやって仕事をゲットしたのでしょうか?この記事を読んでいる方も、きっと豪華客船での就職を希望されている(又は興味がある)のではと思います。

そこで過去に世界一周クルーズ客船での勤務経験がある私が考える「豪華客船で働きたい人が取るべき4つの行動」をご紹介します。

日本人の採用枠は数が少なく競争率が高い

たった1隻の船でもメガシップなら2千人以上、ミドルシップでも数百人のクルーが勤務しているクルーズ船。

そのクルーの国籍の内訳を見てみると、人件費の安い東南アジアやインド・中国などから来たクルーが大多数を占めているというのが現状です。

はっきり言って日本人で豪華客船で働いている人はまだまだ少ないです。私の経験でも1,000人クルーが働いている客船の中で日本人は自分一人だけなんてこともありました。

そもそも日本人のお客さんが少ないので人件費の高い日本人を採用するメリットがないというのが理由。

世界中には200隻以上もの豪華客船が就航していますが、実際に活躍している日本人の数はまだまだ少ない。ということは募集数も少ないですし、実際に募集が始まったとしても厳しい競争になることは容易に想像できます

なんでもいいからとにかく豪華客船で働きたいというのであれば、日本船やダイヤモンドプリンセスなどに応募してみることをお勧めします。日本人クルーの数も多いので採用される可能性は外国船よりは大きいでしょう。

しかし、世界一周クルーズを経験してみたい、外国人クルーと一緒に働いてみたい、インターナショナルな場で働いてみたいという明白な夢があるなら海外船に是非チャレンジしてみてください。

やっぱり、船で働くなら世界一周する海外船がめちゃくちゃ楽しいです。

ここからは私が実際に海外船に就職できた就職活動体験をベースに、豪華客船で働くために必要なリサーチや心構えから、人事担当者の目に止まりやすい応募書類の書き方などを紹介します。

客船スタッフについてリサーチする

まず自分がクルーズ船のクルーに向いているかの適性を見分けることが重要です。船の上という特殊な職場環境に身をおく前に考慮しておくべき事が3つあります。

1.休み無しで働き続ける覚悟があるか

クルーズ船で働く乗組員は基本的に契約中は1日の休みもなく働くことになります。

病気や体調が優れないなど特別な場合は休みが与えられることがありますが、それ以外は全く休みがありません。

契約期間中は数ヶ月ぶっ続けで働いた後に1~2ヶ月の休みをまとめてもらう感じになります。しかも1日の労働時間は12時間を超えることも珍しくありません。むしろ当たり前だと覚悟しておいたほうが良いです。

普通ではあまり考えられない労働条件ですが、ILO海上労働条約というものがありそのような労働契約が認められています。

寄港中は遊びに行ったりおいしい食事をしたりとリフレッシュする機会はありますが、やはり長時間労働は心身ともに疲れます。

はっきり言ってクルーズ船は楽な職場ではありません。遊び感覚では長く続かないので、それなりの決断と覚悟を持って応募しましょう

乗組員は寄港地で必ず外出できるというわけではありません。寄港地でも船のオペレーションは周り続けているので、当たり前ですが仕事があります。大抵は同じ部門のスタッフ間で調整して休憩時間を決めて交互に外出する形をとる事が多いです。

2.厳しい労働・生活環境に耐えられるか

表は華やかな豪華客船ですが、その裏側には何百・何千もの乗組員のハードワークが存在しています。

スタッフ間の厳しい階級制度や人種差別的なことを感じる場面もあるかもしれません。

また言葉の問題や文化的な違いが原因で同僚とうまくやっていけないなど人間関係の悩みを抱えることも少なくありません。

豪華客船での仕事は単に肉体面だけでなく、精神的にも消耗することがあり得るというのは心得ておきましょう。

部屋は複数人でシェアすることになりプライバシーが限られます。私は最大5人で部屋をシェアしたことがあります。シャワーやトイレも使いたい時に使えませんでした。

部屋に仕切りなんかないのでテレビの音や話し声がうるさくて眠れないなんてこともありました。

1日長時間働いて部屋に戻ったらあんな環境だったなんてよく耐えれてたな、なんて今になって思います。ベッドシーツの交換や洗濯、掃除は休憩時間に自分で全て行う必要があるんですがこれも意外と面倒。

3.年齢制限をクリアしているかどうか

客船会社によってはクルーの年齢を制限している場合もあります。

とくに20歳以下の未成年は採用しないと定めている会社が多いので、応募する際は年齢条件を必ず確認しましょう。

逆に年齢の上限を設けている会社はあまり見かけません。

乗組員の多くは20代〜30代くらいの年齢層が多いですが、マネージャークラスになると40代、50代くらいの人もかなりいます。

社会人経験が豊富でホスピタリティ業界が長かったという経験があれば40代くらいでもマネージャークラスのポジションを狙って応募するというものありだと思います。

私が長年クルーズ船で働いていて、新規採用されてくるクルーを見てきた感覚で言えば、35歳くらいまでであれば応募時に年齢がネックになるようなことはないと思います。

30代半ば程度なら年齢の心配せずにガンガン応募してみましょう。遅すぎるということはありません。

クルーズ船のオペレーション(指揮系統)を理解する

実際にクルーズ船のスタッフとして働いたことがない方は船のオペレーションがどうなっているのか想像がつきにくいかと思います。形態的に一番近いのはホテルのオペレーションかと思いますが、やはり一般の会社とは違ってクルーズ船特有の特徴があります。

オフィサー

まずオフィサーと呼ばれるポジションの人間が船の運行に責任を持ちます。キャプテンは船の運行・ホテル部門・サービス部門など全ての部門の責任者です。

通常オフィサーはその船籍が属する国から来ている事が多いです。ギリシャ・ノルウェー・オランダ・アメリカなど昔から海洋大国として栄えた国の国籍が多いです。

スタッフ(マネージャー)

スタッフは毎日の船のオペレーションに責任を持ちます。特に表に出てお客さんと接する機会が多いスタッフはほぼネイティブ並の英語力を身につけていなければなりません。

外国船ともなれば乗客はほぼ100%外国人です。サービススタッフになりたいのであれば英語は必須です。クレーム処理など、ゲスト対応等ヒューマンスキルも必要とされます。

外部事業者

クルーズ船で働くスタッフには「外部事業者」と呼ばれるカテゴリーに属する人がいます。例えば「売店スタッフ」「カジノスタッフ」「フォトショップスタッフ」「理容スタッフ」「マッサージ師」などです。

外部事業者はクルーズ船と契約して乗船しているのではなく、外部の委託サービス会社と契約して乗船しているスタッフのことです。

クルー

クルーズ船で働く人間はほとんどこの「クルー」のカテゴリーに属することになります。

調理師・バスボーイ・ウエイトレス・ウエイター・ハウスキーピング・メンテナンススタッフ等船の司令系統でも一番下に属するカテゴリーです。

賃金も他のカテゴリーと比較しても低く、生活コストの低い国から出稼ぎ感覚で働きに来ている人が多くいます。労働時間も長く厳しい条件で働いています。

このように「乗組員」と一言で言っても、幾つかのカテゴリーに分けられます。オフィサーは專門の航海士学校を卒業して免許を所有している必要がありますし、客船勤務が未経験ならスタッフとして採用してもらえるには壁が高過ぎるような気がします。

私のおすすめは「外部事業者」のカテゴリーです。外部事業者なのでクルーには課せられる船会社側の就業規則が一部適応されないなど比較的自由がききます

さらに寄港中は売店やカジノ・スパ等は閉店したり営業時間を短くする事が多いので寄港地で外出できるチャンスも大きくなります。職種にこだわりがなく単純に「世界を見て回りたい」ということであれば「外部事業者」としての乗船を狙いましょう。

資格・学歴・経験は必要か?

次に応募前にいくつか確認をしておきましょう。豪華客船での勤務に資格・学歴・経験は必要なのでしょうか?

資格は不要

結論から言うといわゆるホテルスタッフの場合、特別な資格は必要ないです。

ホテルスタッフというのは例えば、フロントスタッフや客室・レストランスタッフなどの特別なスキルを必要としない接客を行うスタッフと考えてください。

私はエンターテイメント部門とフロント部門で仕事をしていましたが、採用の時に資格を問われたことは一度もありませんでしたし、同僚にも特別なスキルや資格を持っているという人はいませんでした。

但し「機関士」や「航海士」など船の運行に関するポジションとなると、その道の専門的な大学で免許を取得する必要があります。

英語は必須

必要なのは英語です。しかも受験英語ではなく現実に使えるプラクティカルな英語。これは外国船においてはかなり重要視されます。

豪華客船という職場は、一緒に働くクルーはもちろんのことお客さんも多国籍です。船上での公用語は基本的に英語です。英語が話せなければ何もできません。

逆に言うと英語さえしっかり磨いていれば客船で働くチャンスは大きくなります。

中途半端な英語力ではだめです。英語が不得意なスタッフというのは、たいがい裏方に回されてお給料の安い仕事しか与えられません(というか、その前に採用さえされないでしょう)。

外国船で働きたいならネイティブと普通に日常会話ができるくらいの英語力は身につけておきましょう。

学歴は関係あるか?

学歴は全く関係ないです。

日本客船の最高峰である飛鳥2の採用要項でさえ最終学歴は「専門学校/高等専門学校」となっています。大卒である必要はありません。

ちなみに私がいままで勤めた客船会社の採用時にも学歴が問題になることはありませんでした。大学に行ったかさえ聞かれた記憶もありません。

ただし、詳しくはあとで書いていますがクルーズ専門学校や旅行・ホテル関連の専門学校を卒業しているならかなりプラス要素にはなるでしょう。

経験なくても大丈夫

経験はなくても大丈夫だと思います。そもそも「客船での勤務というかなりレアな経験」を求めてくることが無茶なことで、そこは心配しなくてよいでしょう。

ただ、ホテルでの勤務経験があるとプラス評価されます。

客船での仕事はホテルでの仕事にも似ていますし、豪華客船は動くリゾートホテルとも言われるくらいですからね。

また、一度客船勤務を経験をすると、他の船への転職の時にかなり有利に働くのは間違いありません。転職がかなり楽になります。「客船での勤務経験」をすでに持っていることは、採用者からすると安心できる大きなポイントです。

もしあなたが「寿司職人」「マッサージ師」「美容師」などの経験をお持ちであればこれはかなり有利になると思います。

特に日本料理シェフというのは需要があります。海外の船会社なら寿司なんて握った経験がなくても、日本で調理師やってましたってだけで「寿司職人」として雇ってもらえるかもしれません。

雇用形態は?バイトもある?

客船クルーの雇用形態は「正社員」と「契約社員」の2つに別れます。

日本の船会社であれば契約社員で入社した後に一定期間を経たあとに正社員にというパターンが多いです。

海外船の場合はほぼ100%契約社員という雇用形態になります。大抵は1年の契約で乗船し、契約満了時に更新するような形です。

ちなみにアルバイトでクルーを採用している船はありません。いままでアルバイトのクルーにあったこともないし、そういった募集を見かけたこともありません。

フェリーならバイト採用もあるでしょうが、客船の場合は「正社員」か「契約社員」のどちらかしかないと考えてください。

客船で働きたいならあなたが取るべき4つの行動

では、ここから本題に入ります。いったいどうやったらクルーズ船での仕事をゲットすることができるのでしょうか。私が考える4つのルートがこれです。

  1. 普通にネットで求人情報をチェック
  2. 海外の本社に直接履歴書を送る
  3. コネで紹介してもらう
  4. クルーズ or 旅行・ホテルの専門学校に通う

それぞれ説明していきます。

1.普通にネットで求人情報をチェック

これ普通過ぎますが、ネットでの情報収集は当たり前ですね。まず抑えておくべきは、日本の会社が運航する客船。日本に会社を置く客船は以下のような船があります。

ここらへんの会社はちょこちょこホームページで乗組員募集の告知をしているようなので、こまめにチェックしておくとよいでしょう。

それから、募集を行っていないとしても履歴書を送っておくのは必須です。これ大事。

欠員が出た時に一般公募の前に考慮される可能性大です。

また、最近日本にも海外の大型客船が入港するようになってきました。これはチャンスです。日本に頻繁に入港している船の会社を中心に調べて応募してみるといいかもしれません

最近はプリンセスクルーズ・コスタクルーズが日本に通年就航しています。各社ともに日本語スタッフを募集しているようなので今が狙い目でしょう。

参考:プリンセスクルーズ公式サイト 採用ページ

参考:コスタクルーズ公式サイト 採用ページ

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2.海外の本社に直接履歴書を送る

2番目の方法はとにかく履歴書を送りまくることです。特に海外航路の客船になると一般に募集をかけることはあまりなく(特に日本で募集をかけることはほぼない)、情報が全くと言っていいほどありません。

求人をしているのかもしていないかもわかない状態なので、とにかく履歴書を送ってみるという作戦です。

世界には大小数えると何十もの客船会社があります。それぞれの会社のHPで本社の住所を調べて直接人事担当者に履歴書を送ってみましょう。担当者の名前はわからないと思うので、「Human Representative」「Recruitment」「HR」みたいな部署に送ってください。

あとは社内で勝手にしかるべき人の手に渡るはずです。メールでの応募はスルーされる可能性があります。私自身メールで応募したことありますがあまり返事を頂いたことありません。おそらく迷惑メールに振り分けられているのではないかと思います。郵便で送ったほうが返答率は高かったです。

ここらへんは、運やタイミングの問題があるので、一度送って返事がなくても(返事がないことがほとんどかもしれません)あきらめずに、半年ごとにまた送ってみるといいでしょう。

3.コネで紹介してもらう

これはちょっとハードルが高いかもしれませんが、実際に客船で働いている人と友達になることです。

私自身も人に声かけてもらってコネで転職したこともありますし、一緒に働いていたクルーの中には、夫婦だったり、近所の友達ですとか幼なじみですみたいな人たちが結構いました。そういうクルーたちって話を聞いてみると全員コネ入社なんですね。

そもそも客船で働いている友達がいないのにどうすれば?と思っているひとは、ネットが強力な味方になってくれます。クルーの中にはfacebookやtwitterなどのSNSを使ってクルー生活を発信している人って結構います。

そういう人達とSNS上で普段から交流しておくのです。そして、自分も客船勤務に興味があるんだけどどうしたらいい?みたいな相談をするとアドバイスをくれたり、仕事を紹介してくれるかもしれません。

例えばノルウェージャンクルーズラインは「Norwegian Cruise Line Jobs and Careers」といったFacebookページを開設しています。クルーの生活や客船の裏側を垣間見ることができるのでぜひアクセスしてみてください。

可能性としてはあまりないかもしれませんが、少しでもチャンスが有ればやってみるべきです。少なくともクルーたちとつながっているだけで、彼らがどういう生活や仕事をしているか垣間見れて面白いと思いますよ。

世界の客船会社を把握する(主要42社リスト付)

最後にメジャーな客船会社とそのホームページをリストアップしてみたのでぜひ各社サイトをチェックしてみてください。

船会社によって寄港地も違うし、もちろん船自体もかなり違ってきます。

応募者に要求してくるスキル・資質もさまざま異なっているので各社ホームページの詳細までよく読んでその会社の特徴を把握し、この会社・船で働きたいという順位リストを作成して一番に就職を希望する会社から応募していきましょう。

まとめ

私は幸運にも客船で勤務しながら世界中を見て回るという経験をしました。自分では決して行けないような僻地に行くことも出来ました。

もしあなたが本当に客船で仕事をしたいと思っているのであれば絶対にチャレンジするべきだと思います。本当にめちゃくちゃ楽しいですから。

そこで経験することは一生の宝ものになるはずです。今回は私が思いついた方法を4つ紹介しましたが他にも別方法があるかもしれません。

思いついたらすぐに行動をとってください。なにかしら行動を取り続けていれば必ず道は開けます。

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