私は過去に豪華客船のクルーとして船上で働きながら世界中を旅して回りました。
当ブログ内の別記事「豪華客船で仕事したい!クルーとして採用される最短ルート」では、豪華客船での就職を目指している方たちに参考になるようにと、自分の過去の経験も含めてクルーズシップで働くための方法を4つ紹介しました。
実はこの記事「プリンセスクルーズ 採用」といったキーワードでたどり着いてくる方が結構いて、プリンセスクルーズでの採用要件について情報を探されている方が結構いるのだということがわかりました。
そこで今回はとくにプリンセス・クルーズにターゲットを絞って、採用されるための要件や英語力などを考えていきたいと思います。
プリンセス・クルーズの会社概要
まずはプリンセス・クルーズについて基本情報だけおさらいしておきます。
プリンセス・クルーズは、昨年創業50周年を迎えた、アメリカに本社を置く世界第3位のクルーズ会社。運航する17隻の客船は世界中から年間170万人もの乗客を運んでいます。
そのプリンセス・クルーズは日本マーケットに参入し2013年以降、毎年日本発着クルーズを行っています。日本に投入された船は、乗員・乗客合わせて4,000人を収容することができ、重量11万5千トンを超える大型豪華客船「ダイヤモンドプリンセス号」。
比較的お手軽な料金で本格的なクルーズ旅行を体験できるとあって、毎年多くの方がダイヤモンドプリンセスのクルーズに参加されています。
実際に私も一度乗船したことがありますが、楽しい船旅となりました。
プリンセスクルーズで働くための要件
プリンセスクルーズの公式サイト(英語)には船上スタッフとして採用されるための必要条件が明記されています。それによると条件は
- 21歳以上であること
- 犯罪歴がないこと
- 有効なパスポートを所持していること
- US C1/Dビザを持っていること(ビザは採用後に取得)
- プリンセス・クルーズ指定の健康診断にパスすること
- 職種に応じて必要とされる英語力を満たしていること
です。これはプリンセス・クルーズのクルーとして採用されるための一般的な採用条件なので、これらを満たした上でさらに応募職種に関連する経験等も当然別途必要になってきます。
また契約条件としては以下のとおりとなっています。
- 契約期間:6ヶ月(約2ヶ月の休暇をはさみ、複数契約が可能)
- 雇用形態:契約社員
- 労働時間:平均労働時間 10時間 ※ILO海上労働条約に準拠
- その他 :社員食堂(無料)、クルー用医療給付、ジム、制服あり
- 勤務地 :全世界
ちなみに各職種に関する必要経験は以下のとおりです。
職種 | 必要経験 |
---|---|
警備員 | 船内の警備巡回、乗船客・クルー・荷物の保安検査 |
客室係 | 客室の清掃、ベッドメーキング |
クルーズ・スタッフ | 船内イベントの企画・運営・進行(MC経験必須) |
レストラン・スタッフ | 船内のブッフェやダイニングレストランの給仕 |
バー・スタッフ | バーでの給仕、バーテンダー |
ブティック免税店 | 時計、ジュエリー、コスメ・フレグランス、ギフトショップ等の各専門販売員 |
カメラマン | 写真の撮影および販売(一眼レフカメラ使用経験必須、プロ・アマ不問) |
医師/看護師 | 乗船客・クルー向け医療(救急医療経験必須) |
ユース・カウンセラー | お子様(3~17歳)の託児施設のスタッフ |
気になる給料は?
クルーズ船での勤務はかなり特殊で、インターナショナルなゲストを相手にしながら外国人スタッフと共に働きながら、しかもタダで世界中を旅行することができるという、普通に日本で働いていては絶対に経験することが出来ない体験をすることができます。
とはいっても仕事ですから、当たり前ですがちゃんとお給料はもらえます。そこで気になるのはぶっちゃげいくらもらえるかということではないでしょうか。
以下は職種別の平均月収例です。経験にもよりますが、だいたいココらへんが初めての契約時にもらえる収入と考えて大丈夫です。
職種 | 必要経験 |
---|---|
警備員 | 2191USドル |
客室係 | 2192USドル |
クルーズ・スタッフ | 1250USドル |
レストラン・スタッフ | 1200USドル |
バー・スタッフ | 1650USドル |
ブティック(時計/ジュエリー) | 1667USドル |
ブティック(コスメ・フレグランス) | 1200USドル |
ブティック(ギフト、アパレル等) | 1200USドル |
カメラマン | 1200USドル |
看護師 | 3800USドル |
ユース・カウンセラー | 1100USドル |
契約期間中は食事・制服は全て会社支給となっているので、寄港地で遊びまくったりしないかぎりは基本的にお金はたまります。
船内でお金を使うとしてもクルーバーでの飲食程度でしょうが、お酒・タバコは無税ですし、クルー価格となっているので激安です。クルーズ船で働くとお金はたまります。
選考で最も重要視される英語力
プリンセス・クルーズに限らず、海外のクルーズ船に就職しようと思った時に最大のネックとなりえるのが「英語力」です。
ダイヤモンドプリンセスで必要とされている英語力はTOEIC600~850点とされています。かなり幅がありますが、やはり英語力は高いほうが採用されやすいのは間違いないです。
ダイヤモンドプリンセスのクルーはインターナショナルですが乗客はほぼ日本人となっているので、海外航路の客船の採用基準に比べてそこまでの英語力は必要とされないかもしれません。
それでも最低限ネイティブと日常英会話が問題なくこなせるくらいは喋れておいたほうが良いです。仮に未熟な英語力でたまたま採用されたとしても、乗船後に苦労することになるでしょう。
また英語ができることの最大のメリットは海外就航船に回される可能性が大きいということです。
ダイヤモンドプリンセスは基本的に同じコースをシーズン通して繰り返す周遊クルーズとなっているので、働く側からしてみるとはっきり言って面白みがあまりありません。何度も同じ港に寄港するので正直飽きます。
しかし、英語が得意でバリバリに活躍してくれるクルーは海外就航路線や、もしかしたらワールドクルーズシップに配属される可能性も大きくなります。せっかくクルーズ船で働くのならやはりワールドクルーズに参加したいものです。
豪華客船で働くことに興味のある方はとにかく英語力を磨くことをお勧めします。しかもTOEIC等のテストで高スコアを叩き出すのを目標とするのではなく、実際に通用する英語を身につける必要があります。
こればっかりはすぐに身につくものでもないので地道に努力して頑張るしかありません。
また採用選考過程ではもちろん英語力のチェックは必ず入ってきます。プリンセス・クルーズの場合、会社またはオンラインでの面接となっていますが、特に海外に拠点のある客船会社との面接となるとほぼ100%オンラインで行われます。
まとめ
私自身、過去にクルーズ船で勤務しながら世界中を旅して回りました。船に乗っていなければ絶対に経験することができなかったことばかりでめちゃめちゃ楽しかった思い出ばかりです。
当時は日本人を採用してくれる海外客船会社の数はあまりまりませんでしたが、いまは特にダイヤモンドプリンセスやコスタクルーズ等の海外客船会社が日本発着クルーズを行っておりチャンスだと思います。
海外で仕事がしたい!英語を使う仕事をしたい!という方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。